カリフォルニア州南部、サンディエゴに降り立った21年前。
空の高さに言葉を失った。
オレが知る空の景色には、いつも人工物が紛れ込んでいた。
よく考えたら日常で空単体を意識することすらなかった。
足下の世界にばかり目を向けていた。目線を上に向ける余裕がなかった。
狭い視野の中で生きていた小さな自分。
広くて高い真っ青な大空を見上げて、深呼吸。
夢に満ち溢れていたあの頃。
未来を見据えた若きオレは初めて空と対峙した。
大人は空を見上げて何を想う。
その目は悲しげにも愉しげにも見えるはず。
人生の酸いも甘いも知っているから。
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