「明日から東京に行くよ」
「お父さんと一緒に暮らせなくなります」
そこに選択肢はない。
ただただ従うのみ。
悲しいとか、
寂しいとか最初は思う。
いつのまにかそんな感情すら持たなくなる。
どこにも自分の居場所はない。
そして生きる場所を見つける。
それは自由な発想で誰にも邪魔される事なく、
誰にも影響される事なく、
創作すること。
自分の感情や空想したものを自由に変化させて、
表現すれば良い。
その瞬間、
彼女は孤独な子供ではなく、
孤独な天才に変貌する。
究極な孤独が、
究極の感情とイマジネーションを鋭敏にする。
誰とも群れることのない殺気に満ちた武士のように、
危ういが、
凛としている。
命が朽ち果てるまで、
武士は武士、
そして
宇多田ヒカルであり続ける。
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