みんなの視線がオレに集まる。集中して無心になる自分と、熱い想いを必死にコントロールしようとする自分が同居している。
たくさんの人によって彩られる空間と、一人一人の心の動きが影響し合って独特な空気がそこに充満する。オレにとっては、電動車椅子サッカーの公式試合となにも変わらない景色だ。
そのオンリーワンの特別な緊張感がとても心地よい。
どこまでオレの熱量が伝わって、どれだけの人がそれを感じ取ってくれているのか。
見えないからこそ怖いが、それがたまらなく面白い。
テレビやネットの世界では絶対に感じ取れない、生々しい姿があらわになる。
例えば、初見はただただ化け物がそこにいる、といった衝撃しかないかもしれない。
時間の経過と共に、「別に同じ人間じゃん。」と気付く人とそうじゃない人。
その心情の変化を目の当たりにする瞬間がとてつもなく嬉しい。
最初は一人でもいいからポジティブなエネルギーを受け取ってほしいと願っている。
でも最後は毎回、子供達から逆にパワーをもらって、より強くなった己が存在している。
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