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監督・主演 平野誠樹

  • 執筆者の写真: Motoki
    Motoki
  • 2018年6月11日
  • 読了時間: 2分

ガサガサと音を立てて、巨大な魔の手が襲いかかる。


無邪気な笑みを浮かべながら、冷淡かつ乱暴に襲いかかる。


まるでおとぎ話の巨大な魔物のようだ。


捕らえた罪なきターゲットを、狭い牢屋に閉じ込める。


そんな日常がそこにはあった。


マンションの隣にある草むらにいると、まるでジャングルにいるような感覚だった。


小学生のオレの小さい体が埋もれるほど、うっそうとした草に覆われたその空間。


そこにオレをさえぎるものは存在しない。弱者とそれを支配する独裁者。


まだまだ容易に動き回ることができたオレにとって、そこは楽園だった。


ハンディキャップがあるとか、対等に友だちとスポーツで競うことができないとか、あらゆる負い目から逃れて、まさにやりたい放題。


そう、バッタなどの虫取りをする事が、何よりも小学生の時は楽しくて仕方がなかった。


眩しい日差しをまともに受けながら、友だちと虫取りに明け暮れていた何気無い日々。


遠出が難しいオレにとって家の敷地のすぐ横に、最高の居場所があった。


あれ以上の自由を、未だかつて味わったことが無い。


きっとこれからも経験することはないと思う。なぜなら、あの草のに匂い、あの生き生きとしたバッタの躍動感、そしてあの感情達は、少年時代にしか遭遇できない、

たったワンテイクの映画のワンシーンだから。


それでも人は自由を求め続ける儚い生き物なんだろうな。

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講演活動を積極的にお引き受けしています。少数派である電動車椅子に乗り、呼吸器をつけながら激しい電動車椅子サッカーというスポーツの監督をしながら様々な活動に取り組んでいる私の体験を聞いていただき、既成概念を取っ払い、視野を広げるきっかけにして頂けたら嬉しく思います。一人でも多くの方に!

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